嘔吐とは

お子さんの胃はくびれが少なく細長く、胃の入り口の食べ物が逆流しないためにある噴門が未発達のため、少しの刺激ですぐに吐いてしまいます。よく乳児がミルクを飲んだ後、ゲップをさせずに寝かせると吐いてしまうのも胃の形からです。よく吐くお子さんでも元気で体重が増えていれば問題はありません。しかし、他の病気にかかった時、嘔吐することはよくありますが、吐いた後のお子さんの様子を注意深くみるようにしてください。お子さんが元気であれば大丈夫ですが、繰り返し吐いたり、顔色が悪い時は注意が必要です。

嘔吐のメカニズム

大人になっても嫌なにおいを嗅いだり、乗り物酔いであったり、のどに物を詰まらせたりと様々な原因で吐き気を起こします。また、身体にとって危険なもの、異物などが胃の中に入ると防御反応で吐くこともあります。これは嘔吐反射といい、身体の色々なところからの刺激が神経を介して脳の嘔吐中枢に伝わるからです。胃腸の症状だけではなく、脳幹部にある中枢が深く関わっていることから、吐き気・嘔吐は大きな病気につながっている可能性も考えられます。頭を強く打ったり、脳に炎症が起こったり、インフルエンザなどの脳症を起こしたりした時も吐くことがあります。吐く理由がわからない、吐いた後の様子がいつもと違う場合は受診をしてください。

治療方法

様子をみる ・軽く吐く程度で、いつもと変わった様子ではない
・おしっこがでている。オムツがいつもどおり濡れている
診療時間内に受診してください ・授乳後、激しく吐くことが続いている
・発熱、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状がある
・嘔吐と下痢だけが続く
できるだけ早く受診してください ・連続的に吐いて、ぐったりして元気がない
・唇が乾いている
・生後3カ月未満の赤ちゃんである
・無表情でウトウトしている
・がまんできないほどの激しいおなかの痛みを訴える
救急病院を受診するか
救急車を呼んでください
・38度以上の熱がでて、ぐったりして意識がない
・10~30分間隔で激しく泣き、赤いドロっとした血便が出る
・血、または胆汁(緑色の液体)を吐いた
・頭を激しく痛がる